予防医学とは

 

不調を感じて病院に行く。病気と診断されて、薬を飲みはじめる・・・。

医療には、身体に異常を感じてから病院やクリニックなどの医療機関で受ける検査や治療というイメージがあります。医療は病気にかかってしまった患者さんのためにあり、それ以外の人々には関係ないもの、と一般に思われているようです。

 

しかし、私たちの心と身体は、健康か病気か、どちらかにはっきりと区別できるものではありません。不調を感じなくても健康診断で検査値の異常を指摘される人や、検査値が異常であってもそれまで通りの生活を続けている人もいます。健康診断で検査値の異常を指摘されたのをきっかけに、食事、運動、禁煙などの生活習慣の改善に取り組み、健康状態が以前よりもよくなった、という人もいます。また、病気と診断され、治療を受けている患者さんのなかには、生活習慣の改善や薬の服用をきちんと行う人がいる一方、自分の判断で服用を中止した結果、病気が進行してしまう人もいます。

 

医療機関で検査や治療を受けることに慣れた私たちにとって、「予防医療」という言葉はあまりなじみがありません。しかし、医療の目的には治療することだけではなく、病気の重症化や再発など、病状の悪化の予防も含まれます。また、健康な人が将来、病気にならないようにバランスの良い食事の摂取を心がけたりウォーキングを始めたりすることなど、健康な人が健康を維持・増進する行動も含まれます。医療を健康維持・増進、病気の予防という視点から包括的に捉え直し、私たち一人ひとりが今、何をすべきかという行動指針を示してくれるのが予防医療なのです。 

生涯にわたって、あなたの健康を支えるパートナーとして、予防医療センターの人間ドックの受診をぜひご検討ください。